方向制御弁の種類と内部構造category
方向制御弁について
方向制御弁とはアクチュエータ動作方向や停止を決定させる重要な弁です。
上記のような機器があります。切換弁はアクチュエータの方向切り換え。パイロットチェック弁は落下防止などに利用されています。
チェック弁(逆止弁)
チェック弁は片側自由流れ反対側の流れは制限する弁で、多くの利用法があります。構造自体は非常に簡単ですのですぐ理解できるものです。
- チェック弁が付いた機器は取り付け方向に注意してください。
パイロットチェック弁
パイロットチェック弁も逆流を防止しますがパイロット圧を入れることにより逆流を可能にした弁です。多くはアクチュエータの落下防止回路に利用されています。
- アクチュエータを垂直方向に取り付けた場合や停止時のロックなどに利用します。
- 上図のようなポペット弁全般はその構造上漏れがほとんどない為落下防止などに広く利用されています。
電磁切換弁
電磁ソレノイドを利用し弁内部のスプールを直接移動させ流体の経路を変更する弁です。片側バネ付きやデテント付きまたはバネなしやスプールの構造違いにより中間の切換経路が異なる弁などさまざまなタイプが存在します
- 2方向と3方向制御できる弁があります。
- バネにより電磁ソレノイドを切ると原位置に戻るタイプがほとんどです。
- 切り換えを高速に行える利点がありますが、切り換え速度が速いため高圧下ではショックが出る場合があります。
電磁油圧切換弁
上の電磁切換弁は小さいサイズならば問題ありませんが、大きなスプールを動かすには力がありません。そこで小さな切換弁を先ず動かしその油圧の力でメインスプールを切り換えるタイプの切換弁が電磁油圧切換弁です。
また小型の切換弁を利用し低電力で駆動することが出来るため近年は小型の弁でもこのタイプがよく利用されています。
- 構造上ソレノイドが小さく省電力ですが直接スプールを動かさず流体を介するため高速で切り換えるような動作には向いていません。
- 上図のように切換弁やリリーフ弁などのスプールをスライドさせる弁は、その構造上すき間があり完全なシールは出来ません。
その他の切換弁
電磁ソレノイドを利用しないタイプの切換弁です。手動や電流制御、サーボ弁などがあります。スプールなどの内部構造は電磁切換弁を同様です。スプールの切換位置を無段階に制御できる構造のものもありその場合、切換方向とスプールの隙間開度も制御できるためアクチュエータの速度も制御できます。
方向切換弁の選定
選定に関しては別項の選定や回路設計を参照ください。方向に関する機器は主にアクチュエータの向きを制御させる機器と思ってください。ここに紹介した機器は安全に直結しますので選定取り付けには特に注意してください。
回路にもよりますが機器交換の時は配線や配管取り付けを間違えると即誤動作が発生し事故がおきる可能性が高まります。未然に事故を防ぐ様注意しましょう。