液圧ポンプの種類と内部構造category

液圧ポンプについて

液圧ポンプは電動機または原動機の回転運動を流体エネルギーに変換するもので少数ですが人力よるポンプもあります。液圧ポンプには以下の種類が一般的です。

  1. ギヤポンプ
  2. ベーンポンプ
  3. ピストンポンプ
  4. ねじポンプ

液圧で利用するポンプは非容積式ポンプは構造上高圧が出せないため例外なく容積式ポンプを利用します。

またポンプには固定容量式可変容量式の2つの種類のポンプがあります。

空気圧は騒音の関係上エアコンプレッサから圧縮空気を集中配管で搬送することが多く説明を割愛します。

空気圧の使用圧力は国内では最大1.0Mpaまで、油圧の場合21.0Mpa程度。場合によっては100.0Mpa以上の利用もあります。

ギヤポンプ

ギヤポンプには内接式外接式とがありますが、2つのギヤがかみ合い歯溝とケーシング内にはさまれた空間が移動することによって流体を搬送します。一般的な外接式ギヤポンプの構造を以下に示します。

  1. 構造的に簡単なため流体内のごみに対して許容範囲が大きい。
  2. 隙間が大きいためにあまり高い圧力は期待できません。7.0Mpa(70kgf/c㎡)程度が限界です。
  3. 構造上固定容量ポンプとなります

ベーンポンプ

ベーンポンプは固定容量式可変容量式の2種類のポンプがあります。ベーン(羽根)とカムリング内にはさまれた空間が移動し流体を搬送します。一般的な可変容量式ベーンポンプの構造を以下に示します。

解説(上図Clik!ボタンを押すと一連の動作を順次説明します)

  1. 構造が比較的簡単なため流体内のごみに対して許容範囲が大きくカムリング・ベーンとも磨耗してもベーンが補償されるため経年による効率低下が少ない。
  2. 隙間が大きいためあまり高圧には向かない。7.0Mpa(70kgf/c㎡)程度が限界です。
  3. 構造上脈動を非常に小さくできる。
  4. 可変容量式では設定圧に達すると圧力最大、流量0となるため構造上リリーフ弁。アンロード弁が不要になる。

ピストンポンプ

ピストンポンプにも固定容量式可変容量式の2種類のポンプがありますが通常可変式です。回転運動によりピストンが上下しその空間が流体を搬送します。またピストンポンプはその他のポンプと違いシリンダの配列やピストンの駆動方法に多くの種類があります。一般的なピストンポンプの特徴を以下に示します。

  1. 構造が複雑なため流体内のごみに対しての注意が必要です。
  2. 隙間が小さく高効率かつ高圧に対応可能です。
  3. 部品点数が多いためポンプ自体が大きめになります。
  4. 可変容量式の場合、設定圧に達すると圧力最大、流量0となるため構造上リリーフ弁。アンロード弁が不要になる。

ねじポンプ

工作機械では一般的ではありませんが2つ以上のネジ(クローラー)が噛み合った密閉空間内に液体を満たし連続的に搬送するポンプで周囲雰囲気に影響を受けにくく高粘度の液体や粉体も搬送できるため屋外での利用や特殊車両等に利用されています。なおアルキメデスのらせんポンプとは構造が違います。

ポンプの選定方法

以上代表的なポンプを4種類説明しました。実際に選定する場合どれを選ぶべきなのでしょうか?使用圧力で選んだりコストや条件によって左右されますが出来るならば高効率のポンプを選定しましょう。

なぜなら低効率のポンプはその内部リークによりランニングコストに直結します。ただでさえ油空圧は動力を流体に変換 -> 動力へと再変換するので効率的に不利です。したがって動力から流体エネルギーへの最初の変換効率を高めるのは油圧空気圧の省エネの第一歩です。

油圧ポンプが運転時に触れられないほど熱くなっていませんか?その熱はモーターからポンプへのエネルギー変換損失であり電気料金を熱として捨てている状態です。

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