油圧空気圧講座 / 機器選定explain / selection

機器選定

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油圧、空気圧の選定方法は基本的には流体の種類、圧力、流量で選定します。

各メーカーより推奨された範囲内で利用すれば間違いありません。油空圧は普通「呼び径」と言われるインチ配管ベースのサイズで各機種が作られています。しかしこの呼び径と言われているものは過去配管継手にて取り付けられていた名残として呼ばれているだけで現在ではおおよその大きさを測るだけの通称になって います。通常は1/8=01から1inc=08 また2incならば16と呼ばれています。

また機器の交換などでは基本的にはガスケットによる取り付け面はISO規格にて統一されているため呼び径さえあっていればどこのメーカーの機器でも取付できます。価格や納期、仕様や回路次第で自由に選択可能です。

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新規で設計する場合はアクチュエータの推力と速度(モーターならトルクと回転数)によって、まず流量と圧力が決定します。そして各アクチュエータ数の合計で全流量が決定し最高圧力が必要なアクチュエータによって圧力が決定します。

これによりポンプの選定ができるようになります。ポンプの選定には動力として電動機または原動機の選定が必要になりますが詳細は計算式のページをご覧下さい。

さらにポンプの流量によって流体のタンク容量が決定できます。これは通常ポンプの全流量(毎分送る流量)の2~3倍の容量が必要でタンクへ戻った流体は2~3分タンクで休み再度加圧されて各アクチュエータに送られていきます。(液体の場合)

ただし、仕事量が多い場合や効率が劣る回路の場合発熱の問題が出ます。流体の温度上昇は潤滑性の低下や流体の劣化が促進され機器に対して悪影響がでます。その場合はタンク容量を増やし放熱させるか、クーラーで強制的に冷却させる必要があります。

選定するにあたってのヒント

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それは出来る限り高圧にすることです。高圧にすることにより同じエネルギーならば流量を少なくすることができます。

流量が少ないと配管が細くできますし機器も小さくなります。もちろんアクチュエータも小さくなりますので結果的にコンパクトになり、またコストも下がります。配管抵抗による圧力損失の点でも有利です。高圧になる分危険では?と思われるかもしれませんがアクチュエータの推力は低圧でも受け圧面積が大きければ同等の推力なので結果的に同じです。ただし、配管内の圧力が高い場合流体の切換ショックが大きくなります。ショックを出さない回路設計と配管の漏れに対して注意する必要があります。

建設機械は効率追求した結果、汎用的に利用できる工作機械に比べかなり高い圧力設定になっていることがほとんどです。

近年は油圧、空気圧機器の省エネ、省ランニングコスト化も重要

近年の地球温暖化に関する意識の高まりから企業サイドでも本格的な二酸化炭素排出削減の努力が進んでいます。併せてコスト意識もありきめ細かな節電や、環境に対する配慮などが行われていますが、生産設備への対策は時に最大の効果になります。

生産設備は数年前までは保守性、不良の削減、購入費用等の事情によりランニングコストより、生産性を重視して設計されていました。悩んだら大きめのシリンダ、電動機が正解でした。

しかし、現在の世界的な状況から見てもこれらの生産性を重視した設備が逆に負荷の掛かる存在になりつつあります。特に油圧、空気圧は電力 -> 流体 -> 動力と変換させるため元々効率が低く年間の消費電力を単純に金額に変換すると、驚かれる事がしばしあります。設計では詳細な運転タクトを元に無駄のない設計を行うことが必要になります。弊社でも常に無駄のない設計を心がけています。

弊社の省エネ、省ランニングコストの実績

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