速度制御回路の動作説明category
速度制御回路の動作説明
速度制御回路はアクチュエータの速度を文字通り制御します。またチェック弁付きの絞り弁については次項にて補足します。
2速制御回路
下図の例は切削送りなどによく利用される2速制御回路です。切削は加工が遅いため切削工程はアクチュエータの速度を遅くしますが 切削前の段階は早送りさせ加工時間を短縮させるための回路構成を採っています。なお戻り側は早戻しさせています。
解説
- 主電源ONで電動機が廻りポンプが始動し、前進ボタンを押すとシリンダが前進をはじめリミットスイッチが入ります。
- この信号で速度調整用の電磁弁が作動し早送り用の配管を遮断します。
- それにより低速用絞り弁を流体が通りはじめ、シリンダが減速し切削送りされます。
- 後退側は速度調整用の電磁弁のバルブの位置に関係なく高速で動作します。
この回路は電磁弁を利用し速度を制御していますが複合流量調整弁で制御する方法も多く使われています。
またこの回路のようにアクチュエータの出口側を絞り、背圧をかける回路をメーターアウトと呼び、下図のようなアクチュエータの入り口側を絞る場合はメーターインと呼びます。
メーターイン/メーターアウト
下図をご覧下さい。メーターイン回路を極端な例で説明します。
解説
- メーターイン回路はアクチュエータ出口側に背圧が立たないため負荷が掛からず慣性や重力によりスピードの調整が困難になります。
- 上図では下降側でシリンダが重力により落下しています。
- 上昇側は逆に重力により力のバランスが均衡するため精度が高く背圧が掛からないため効率が上がります。
- ただし、上昇側でも慣性が働く場合(急減速)は制御が難しくなります。
メーターインは正の負荷があると制御が困難なので、ほとんどの場面ではメーターアウトを推奨します。違いはチェック弁の向きだけなので交換の際は特に注意が必要です。
例えるならばメーターインはアクセルのみでスピードコントロール。メーターアウトはアクセル全開としブレーキのみでコントロールと考えてください。
下り坂で車速をコントロールできるのはどちらでしょうか?また上り坂ではどちらが燃費が良好でしょうか?